2018年5月3日木曜日

子どもとプロスポーツビジネス

ワールドレディスチャンピオンシップに出場する渡邉彩香選手の帯同でつくばへ。

毎年ゴールデンウィークはこの関係で、つくばにいることが多いけど、今年もいい天気だ。

せっかくプロゴルフの仕事をさせてもらっているので、少しプロゴルフのスポーツプロモーションについて書いてみようと思う。

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プロゴルフの世界は、選手を中心に、スポンサー、ゴルフ場、メーカー、イベント業者、プロモーター、メディア、ファッション、健康事業、地元市民、トレーナーやコーチ、そして観客など多くのツーリズムで構成されている。

また、プロ野球やプロボクシング同様、スポーツ興行は古く、1960年代には既にプロスポーツ事業がはじまり、今やスポーツツーリズムの象徴ともいうべき事業となっている。

その中心となる選手の中には1億円を超える報酬を得ることができる選手もいる。まさに職業として成り立っているプロスポーツの最先端である。

おそらく女性のプロスポーツ選手としてはもっとも高い収入を得られる種目であると思われるが、当然ながら成人の平均収入を賞金やスポンサー料で得られている人は本当に一握りである。




たとえ賞金で1000万円稼げたてしても、彼女たちは基本個人事業主である。賞金で稼いだお金の所得税率は高く、さらに移動費や宿泊、コーチやトレーナー、キャディの人件費などの経費はそこから支払わなくてはならないので、ツアーにフル参戦しているプロゴルフファーで1000万円稼げたても、赤字ということだ。



物心ついたころからゴルフをはじめ、道具はもちろん、子どもだからといってプレイフィーが安くなるゴルフ場はわが国では非常に少ないため、コーチ代などを考えると、保護者の投資は少なくない。

さらに、ゴルフは早朝からスタートするスタイルが多いため、車の免許がない子どもが、一人でゴルフバックを担いで交通機関で移動することは現実的に不可能であるので、結果的に保護者が帯同しなければならなくなるのである。

また、ゴルフ競技の特徴的なものとしては、大人の社交場に接することが多い点である。

学校では制服を着てあどけなさが残る子どもであっても、ゴルフ場に入ればドレスコードや挨拶はもちろん、プレイマナーやルールは当然のように守らなくてはならず、食事や移動時でも大人の社交マナーを身につけなければならない。

このような「スポーツの早期専門性」と「子どもらしい行動の抑制」が、子どもの早熟化とバーンアウト(燃え尽き症候群)を促進することは、以前から明らかになっていることであるが、ゴルフに関しても同じようなことが起きている。

次から次へと若い選手が進出してくるが、20代半ばで影を潜め、いつのまにかフェードアウトしてしまう。30代で一線で働く選手は他の競技に比べて少なく、結婚や出産後競技に復帰できる環境は十分であるとは言えない。

プロゴルファーを目指すために中学卒業後通信教育の高校へ通い、ゴルフに打ち込む選手もいる。もちろん、通信高校や競技に打ち込むことが悪いわけではないが、授業を出なくても競技スポーツを続けて入れば卒業できる高校が問題になっているように、同様の懸念はある。



しかし、デメリットだけではない。

保護者が付きそうスポーツといえば、フィギアスケートや体操なども聞かれるが、競技に賞金がかけられるスポーツであることや、保護者が子どもと一緒にプレイできるといったメリットもあるとすると、プロゴルフはハイリターンであると考えられるかもしれない。





子どもの親であれば、誰しもその才能を早期に知り、伸ばしてあげたいと思う。

それでも居住環境や、経済的な理由で本当の才能を開花させてあげられる子どもは少ない。

たとえ環境や経済的な条件が揃ったとしても、親が子どものスポーツに関わりすぎたり、本来子どもが持つ「遊び」を知らないです育つと、子どもの自律性が損なわれ

自分はどんな才能をもち、何が得意か
「何をすべきか」


を問われた時に答えが出ない子どもになってしまう。


一流のアスリートになる前に、スポーツが持つ本当の意味や目的を親と子どもたちが知らなければ日本のアスリートは強くなれない。

そう思っている。


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