身体の主要なエネルギー源になるほか、細胞膜やホルモン、体の仕組みに働きかける生理活性物質の材料になるといった重要な役割があります。
余った脂質は中性脂肪として主に脂肪細胞に貯蔵されます。
不足すると、疲労しやすくなったり免疫力が低下したりするため、適度な脂質は身体にとって非常に大切です。
しかし現在、食生活の欧米化により日本人の脂質摂取量は増え、むしろ摂りすぎによる肥満や脂質異常症、メタボリックシンドローム、動脈硬化などといった生活習慣病が問題となっています。
反対に脂質が不足すると、疲労、やせ、肌荒れ、体力低下、免疫能低下、月経異常などが症状としてあらわれます。
食べ物に含まれる脂質は体内で分解され、細胞の中で1gあたり9kcalのエネルギーを産生します。
エネルギーは炭水化物やたんぱく質からも作られますが、これらのエネルギー産生量が1g当たり4kcalということと比べると、脂質はエネルギー効率が高い栄養素といえます。
燃料として貯蔵される 使い切れなかった脂質は他のエネルギー源同様、中性脂肪に変えられ、体脂肪として蓄えられます。
そのため脂質をとりすぎると肥満や脂肪肝の原因となり、さらに血液中の中性脂肪やコレステロールが増える脂質異常症や、メタボリックシンドローム、動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞などの原因にもなります。
身体を作る成分となる 脂質は細胞膜の構成成分になります。
脂質は水を弾くため、細胞の内外に必要以上に水が出入りしないよう作用します。 脂質はそのほかホルモンや生理活性物質といった、体の仕組みに働きかける物質の材料にもなっています。 このように細胞レベルでも重要な働きをするので、ダイエットだからといって極端に脂質を制限するのは厳禁です。
脂溶性ビタミンの吸収をよくする ビタミンの中には、水には溶けず油脂に溶けるものがあります。
脂質はこれらのビタミンを溶かし込んで、吸収しやすくします。 脂質は、脂肪酸、中性脂肪(トリグリセリド、トリアシルグリセロール)、リン脂質、糖脂質、コレステロール、リポタンパク質に分けることができます。
脂肪酸 脂肪酸は、カルボキシル基(-COOH)とアルキル基(炭化水素基)から成り立っている化合物です。 カルボキシル基(-COOH)は、親水性(水になじむ性質)をもちます。アルキル基(炭化水素基)は、炭素と水素だけで成り立っている構造部分を指し、疎水性をもちます。 脂肪酸全体の分子では、アルキル基の方が多く、疎水性の性質の方が強くなります。
脂肪酸の種類には、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸があります。
・飽和脂肪酸 バター,生クリーム,チーズ,鶏肉(皮),ベーコン,牛サーロイン肉,レバーペースト 等
炭素と炭素が結合した部分に多重結合がない脂肪酸を、飽和脂肪酸といいます。
飽和脂肪酸にあてはまるものには、パルミチン酸やステアリン酸があります。融点が低く、血中のコレステロール値を上げたり、蓄積しやすいという欠点を持っています。
(不飽和脂肪酸 サラダ油,オリーブ油,ごま油,マヨネーズ,マーガリン,胡桃,ごま,落花生,油揚げ 等 )
炭素と炭素の結合が1つ多くなる場合、その結合を二重結合と呼び、二重結合がある脂肪酸を、不飽和脂肪酸といいます。
不飽和脂肪は善玉の脂肪で、不飽和脂肪酸は主にコレステロールを下げる働きがあります。
不飽和脂肪酸には、リノール酸、γ-リノレン酸、オレイン酸、アラキドン酸があり、不飽和脂肪酸のうち、体内でつくることができず、生体のために食事などで摂取する必要があるものを必須脂肪酸といいます。
必須脂肪酸 体内で合成されない脂肪酸であり、必須脂肪酸には、α-リノレン酸、リノール酸、アラキドン酸があります。必須脂肪酸が不足すると、皮膚に異常が出たり、感染症にかかりやすくなります。
また、コレステロールの血管への沈着、脂質異常症の抑制に効果を発揮しているといわれますので、適量にとることが必要です。
中性脂肪 砂糖,果物,脂質,アルコール,炭水化物
グリセロールと脂肪酸が3つエステル結合したものを、中性脂肪(トリグリセリド、またはTG)といい、体に入った脂肪酸の多くは、中性脂肪に変化して存在しています。
飽和脂肪酸にあてはまるものには、パルミチン酸やステアリン酸があります。融点が低く、血中のコレステロール値を上げたり、蓄積しやすいという欠点を持っています。
(不飽和脂肪酸 サラダ油,オリーブ油,ごま油,マヨネーズ,マーガリン,胡桃,ごま,落花生,油揚げ 等 )
炭素と炭素の結合が1つ多くなる場合、その結合を二重結合と呼び、二重結合がある脂肪酸を、不飽和脂肪酸といいます。
不飽和脂肪は善玉の脂肪で、不飽和脂肪酸は主にコレステロールを下げる働きがあります。
不飽和脂肪酸には、リノール酸、γ-リノレン酸、オレイン酸、アラキドン酸があり、不飽和脂肪酸のうち、体内でつくることができず、生体のために食事などで摂取する必要があるものを必須脂肪酸といいます。
必須脂肪酸 体内で合成されない脂肪酸であり、必須脂肪酸には、α-リノレン酸、リノール酸、アラキドン酸があります。必須脂肪酸が不足すると、皮膚に異常が出たり、感染症にかかりやすくなります。
また、コレステロールの血管への沈着、脂質異常症の抑制に効果を発揮しているといわれますので、適量にとることが必要です。
グリセロールとエステル結合している脂肪酸が、1つのものはモノアシルグリセロールといい、2つのものは、ジアシルグリセロールといいます。 これらも広い意味では中性脂肪に含まれています。
リン脂質(しらす干,丸干しいわし,いくら,ししゃも,すじこ,うに,たらこ,しらこ,金目鯛 等) リン酸を分子内にもつ脂質のことをリン脂質といい、リン脂質には大きく分けて、グリセロリン脂質とスフィンゴリン脂質の2つがあります。
グリセロリン脂質 グリセロールの1位と2位に脂肪酸、3位にリン酸がそれぞれエステル結合したものをホスファチジン酸といい、ホスファチジン酸を基本構造にもつリン脂質をグリセロリン脂質といいます。
スフィンゴシン脂質 グリセロリン脂質でいうグリセロールの構造がある部分が、スフィンゴシンの構造になっているリン脂質をスフィンゴリン脂質といいます。
糖脂質 糖脂質は糖をもつ脂質であり、糖脂質には、グリセロールの誘導体となるグリセロ糖脂質、スフィンゴシンの誘導体となるスフィンゴ糖脂質の2つがあります。グリセロ糖脂質は、主に植物の中に存在し、スフィンゴ糖脂質は、主に動物の中に存在します。
コレステロール( たまご,あんこうのきも,キャビア,たらこ,うに,いか焼き,しらす干,いくら,すじこ 等) コレステロールは、ステロイド骨格をもった脂質で、3位の炭素原子に水酸基(-OH)、5位の炭素原子に二重結合をそれぞれもっており、27個の炭素をもちます。 コレステロールは、生体内でつくることができ、食事で摂取することもできます。また、生体膜を安定させたり、特定の化合物の材料になったりもします。 胆汁酸 胆汁酸は、コレステロールが肝臓で生合成されたステロイド化合物です。 胆汁酸は、疎水性と親水性の2つの性質をもち、胆汁酸は、脂質の消化や消化物の吸収をたすける役割をもちます。
リポタンパク質 リポタンパク質は、脂質とタンパク質が結合したものであり、リポタンパク質は、トリグリセリド(TG)、コレステロール、リン脂質、アポリポタンパク質で構成されています。 リポタンパク質の内側には、トリグリセリド(TG)が存在し、リポタンパク質の表面は、コレステロールと親水性をもつリン脂質によっておおわれています。さらに、その表面にアポリポタンパク質というタンパク質が結合しています。 アポリポタンパク質には、リポタンパク質を代謝する酵素の活性化、リポタンパク質の構造の安定化、リポタンパク質と細胞をつなぐ分子になるといった働きがあります。 リポタンパク質は、直径が大きいものから順にキロミクロン、VLDL、LDL、HDLの4つに分けられ、直径が大きいほど比重が小さくなります。
それぞれのリポタンパク質の役割
・キロミクロン
小腸でつくられるリポタンパク質。食物から摂った脂質を血中に送る。
・VLDL(超低比重リポタンパク質)
肝臓で作られるリポタンパク質。TGを末梢の組織に送る。
・LDL(低比重リポタンパク質)
VLDLが代謝されて作られるリポタンパク質。肝臓で作られたコレステロールを末梢の組織に送る。
・HDL(高比重リポタンパク質)
主に肝臓と小腸で作られるリポタンパク質。末梢の組織で余ったコレステロールを肝臓に送る。
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